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体験記

2017年SMEL 体験記
都立西高等学校 2年生(東京大学理科三類進学)

江角先生の土曜講座でSMELに関して初めて知り、高校2年生の時に2期生としてSMELに参加しました。

土曜講座では江角先生がご自身のこれまでの人生体験を語ってくださいました。人を救いたいという強い思いから医師を志し、ピースボートの船医などを経て、現在は三重の志摩市民病院の院長として地域医療を行なっているということを知りました。また、早いうちから学生に実際の医療現場を見てもらいたい。医者とはどういう存在なのかということを主体的に考えてもらいたい。そういう思いからSMELを立ちあげられたということも聞きました。

当時の私は医学部にさえ所属していない高校生でしたが、医学の専門的な知識がないからこそ感じ取れること、わかること、そしてできることがあると思い、その年のSMELに応募しました。私の参加した期間では、西高から1年生が4名と2年生の私が参加しました。初対面の人たちと1週間自炊し、共に過ごすという経験はこれまでありませんでした。しかし、とりあえず楽しんで色々と学ぼうという気持ちで臨みました。

この病院見学では、1週間をかけて病院内の様々な部署や施設をまわりました。リハビリでは理学療法と作業療法の違いを学び、検査室では白血病などの疾患に侵された血球を顕微鏡下で見たり、検査技師の説明を聞きエコー検査の様子を見ました。また、見学のオプションとして、ボートで湾を渡り対岸にある診療所を見学する機会もありました。

見学のほかに、一人の患者さんの「担当」となって、その方のお話を聞いて、基本的な疾患の内容などを学びました。私はこの病院見学中に、担当となった患者さんに何かしら良いことをしてあげることができればと思っていました。しかし、高校生は医療行為に含まれることは行ってはならないので、当初は自分にどのようなことができるのかと悩んでいました。

江角先生や看護師の方々のように医療処置はできない。患者さんの疾患の詳しいことが全くわからない。そのような状況で、どうすればいいのか。色々と考えましたが、最初の数日間は全く結論に至らず、ただ担当の方と学校の話や患者さんの昔の話など、色々と話して過ごしました。そうしていくうちに、少しずつ考えを改めるようになっていきました。他の患者さんの回診で忙しい医療従事者たちより、その期間中は私たちの方がじっくりと担当の患者さんと話すことができ、話し相手になることが重要なことなんだということに次第に気づくようになりました。

最初は担当の方も、質問に対して丁寧に答えてくださって、たまに私にも質問を聞く程度でしたが、数日経つと、患者さんの方から色々と積極的に話してくださるようになりました。「病院はほとんどの人は行きたくて来ているわけではない。だが、来られている方にはなるべく良い体験だったと思ってもらえるよう努力するのが大事。」と江角先生が見学の間におっしゃっていて、その言葉が身に染みました。

先生は、病院食の改善を一例として挙げていました。入院されている患者さんに提供するお食事の味をもっと美味しくするだけで、患者さんたちの満足度が著しく上がった。これこそ、医療には直結していないですが、患者さんたちのQOL、精神的な面で大きな変化をもたらしたのです。この話を聞いて、やはり自分たちにも何かできることがあるんだ、と自信をもつことができました。決して大きいことではなくても、決して患者さん全員には届かなくても、誰か一人の今の幸せに貢献することができれば。そのような小さい行為がどんどん積みあがっていくと、いずれ大きいことができるのではないか。そう考えるようになりました。

優しいスタッフ、おいしいごはん、美しい海、そして何でもやりこなすスーパードクター江角先生(笑)。三重は、そのような温かくて楽しい場所だった上に、自分の学びと成長が感じられるところでした。受験で、勉強一筋の日々を過ごしている間も、伊勢志摩で過ごした一週間をふと思い出すことが何度もありました。懐かしいなと感じると同時に、私も一刻も早く医学部に入って医者になり、実際の医療現場に行って、志摩市民病院の皆さんのように懸命に人々のために働きたい。そのような強いモチベーションにもなりました。

高校生活は、勉強もある程度やらないといけないですが、「楽しむ」ということが一番重要だと思います。色々と挑戦し、時には成功して、時には失敗する。そのような経験を多くすることで、きっと自分が成長できる。高校生の方々には、興味のあるものには積極的にチャレンジし、それから新たなことを沢山学んでほしいです。SMELを通して、本当に成長することができたと思います。
ぜひ機会があれば、高校生の方は参加してみてください。

国民健康保険 志摩市民病院志摩市民病院

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